2014年1月10日金曜日

単位制/通信制への進学を考えている中学生へ



前置きとして私が珍しく「特定の人間」に向けた記事を書いているために少々荒い記事であることを確認しておきます。
「所謂保健室登校、または、不登校状態でいっそ通信制/単位制への進学で悩んでいる」「時間がほしいから単位制でも良いかな?と考えている」このような方々へ向けた簡単な内部告発的内容とします。


・筆者について
まずこの記事を執筆してる私の簡単な昔話、現況について書いていく。
もともと私は(具体的な言及は避けるが)偏差値としては60以上の学校にいた。しかしながら、その環境を2年で捨てて現在は単位制の学校に通っている(偏差値としては30くらいと考えるのが妥当だろう)。
当時の考え方として「自分のやりたいことがある上に、この環境にいたらわからないことも多数あるのでこの機会に(留年ということになりかけた※しかしながら2年次までの単位は全て拾えてしまった。その説明については省略し機会があれば、とする。)やってしまえ」と言うような単純明快かつ思い切った判断である。
そして現在に至る。

・単位制/通信制に関する考察と現状
そもそもに単位制/通信制(以後「単位制」と表記する)がどのような学校形態であるか。ほとんどの場合私立であり、その入学についても書類選考、または簡単な面接など基本的に落ちることはあり得ない入学形態である。そして多くの場合「学校に行かずとも高校卒業が可能である」との謳い文句である。事実、単位取得に必要なレポートは少なくとも教科書を見れば完答が可能なものでありそれを提出し1年間に最大でも10回程度学校に行くだけで単位取得は可能である。
そして当然ながら高等学校である以上通常通りの「5段階評定」も存在する。
あくまでもここに挙げるのは1例だが評定方法は

(私立A高校の場合)
90~100:5
70~89  :4
50~69  :3
39~49  :2
それ以下 :1


というような感じである。これだけ見ると至極真っ当な評定であるように感じる。
しかしながら、前述の通り課されるのは「教科書を見れば完答が可能」なレポートであり、その結果5が量産されているのである(というか普通の人間ならば4~5を当然の様に取れてしまう、事実、筆者の場合2年次までの平均評価は3.4程度であったにも関わらず今年度は5.0である)

そして学費については多くの場合「1単位/万円」前後である。
そして卒業に最低限必要な単位は約75単位程度であり3年間で75万円+施設維持費が5万円/年で15万円+入学金5万円程度で合計約100万円である。
これは一般的な私立高校
(M高校の場合)
入学金:12万円
施設維持費:12万円
授業料:2万円*12ヶ月*3年間=72万円
その他諸費用:1.5万円*12ヶ月*3年間=54万円

と比較しても遜色ない、むしろ安いくらいである(ただし両方とも文科省の就学支援金は考慮していない、また一般的な私立高校の例はあくまでも一般生の金額であり特待生制度などで多くの場合は50万円近く安くなる)

・問題点
単位制の問題点として
・教育の質の低さ
・社会的な印象
・進路について考えた場合に出る不利益
の3点を提起する。

まず教育の質の低さについてであるが、当然ながら単位制は前述の通り「入学は誰でもできる」ものであり、卒業させ、高校卒業資格を与えることを重点にしている。そうなってくると、教育のレベルを最低ラインの人間に合わせる必要が出てくる。これは単位制という性質上、教員の数が最低限に絞られているためにレベル別の教育を行うことが事実上不可能であるということによるものである。

そして社会的な印象であるが悲しい現実ではあるが「単位制/通信制」というものには常にネガティブな印象がつきまとうものであり、致し方無い。なによりも単位制の学校名を上げたところで世間一般には殆ど知られていないものでありネームブランドなど皆無。即ち、一般的な高校に通う人間と比較してバックボーンがほぼ皆無であることを意味する。

最後に進路についての不利益であるが、正直なところこれがとても大きい。まず、高校卒業後の進路として進学を考えるというのも現在においてはかなり多い。専門学校や大学には様々な入試形態があるが特に推薦入試を考えた場合に起こりうることで「単位制は推薦の対象外」ということが極稀にしばしば(実際にはどの位あるのか把握していないが少なくとも一定数)あるのである。そして、面接などを課された場合に徹底的に「なぜそのような学校(単位制)にいるのか」を場合によっていやというほど突かれるのである。
次に進路としての就職についてであるが、前述の「社会的な印象」と相俟った問題で、言い方悪いがろくな就職先がない、これが現実だと言わざるを得ない(もっとも根拠を挙げてしまいたいのは挙げてしまいたいのが進路状況などを公開すれば特定の学校に絞ることになり、厄介なので避ける)。というか残念なことに高校卒業して就職出来るのは一部の専門高校(工業系、商業系、農業系)であり普通高校の人間は基本的に進学をしなければ厳しいのではないのだろうか?


・総括
つまりこの記事を通してなにが言いたいのか。
単刀直入に申し上げて「単位制はやめておけ」というものである。もちろん私個人が少なくとも今思っている意見ではあるが。
保健室登校であろうが不登校であろうが「ある程度」の勉強はしているはずである、今からでも遅くない、過去問を教科書を見ながら解いていくと分かることだが案外中堅クラス高校の入試は解けるかと思う。それで良い、教科書を見ながら解き方を少し確認するだけでもだいぶ違うはず。
「時間がほしいから」という理由であるが、これはあくまでも人それぞれの問題ではあるが、単位制に通うと1日8時間バイトしても余るほどの時間を与えられる。そのような大量の時間を全て効果的に、なおかつ、社会的に(進路的に)有効に活用する自信はあるだろうか?その時間を使って「失ったネームブランド」の代替を得る自信はあるだろうか?今一度考えるべきだろう。


・終わりに
それでも退っ引きならない事情で単位制に来るという人間がいるだろう、そしてここまで書いた私も単位制に人間である。
単位制の人間で自覚を、「自分は底辺である」という認識、これこそが最大のモチベーションになる、というかそれしかない。「自分の環境が底辺であること」を忘れたとき大きなしっぺ返しを食らう。ここまで来たら背水の陣じゃないか。できることは全てするしかない、経験を積みひたすら自分の売り込み要素を作るしかない。「ここは底辺」という認識、それこそがもっとも必要な、忘れてはならないものである。